いまごろ見たぞ

リリイ・シュシュのすべて」を今頃見た。
以下ネタバレ改行

























これは傑作になりえた秀作なんじゃないかと思います。小学校の時、いじめがクラスであった事がありますが、正にああいう感じ。ひとつひとつのエピソードが「人間はこうなったらこうなりますよ」と丁寧に解剖している様でドキュメンタリーみたいな感じがした。たしかにリアルです。そのドキュメントが崩れるのはラスト近くで援助交際をさせられている女の子が自殺してしまう所。あれはラストでの動機付けの為に殺してしまったんじゃないの、と作為的なものを感じてしまい、そこにあざとさを感じてしまった。
死ぬことを綺麗に感じるのは思春期の特権かもしれないけど、逆にああいう風に自殺する事だけがリアルとも言えないと思うし、(そういう意味で対比させる為にも、久野さんが出てくるんだろうが)ちょっと美化しすぎて綺麗に撮りすぎなんじゃないかと。そのへんに違和感を感じました。
とは言え沖縄で死を体験してからの心情の移り変わり、先生とのディスコミュニケーションぶり、合唱コンクールなど、見るべきシーン、印象に残るシーンは多かったです。過剰に悲観的な所は、良くも悪くも90年代的な作品なのかも。